Keep It Stable (K.I.S.)

K.I.S.はステアリングをアクティブにセンタリングする機構で、張力がかかったスプリングと2本1組のバンドがフォークコラムのカムリングにつながっていて、ハンドルをセンターに戻す力を発生させます。これは、路面やライダーからの不要な入力を軽減する効果があります。

K.I.S.はサポート力を自分好みに調節可能。最大限の安定性を求めるならシステムのサポート力を強め、俊敏性を求めるならサポート力を弱めることができます。

独自形状のカムリングとプリテンションがかかったスプリングの力で、ステアリングを非常にスムーズにセンタリングします。ハンドルの舵角全域で一定の力が働き、思い通りに動作します。

耐腐食性に優れた専用スプリング、可動部品、超強力な合成繊維バンドをフレーム内に配置。完全にメンテナンスフリーでノイズもまったく発生しません。フォークやヘッドセットのメンテナンスも簡単です。

K.I.S.のサポートがあったとしても、ライドにクラッシュはつきものです。トレイルでシステムが過剰に伸びることがないようにハンドルストッパーを装備。ハンドルバーがどの位置に来ても安全なように設計しています。

路面が荒れた急斜面では、障害物がタイヤを前に向ける力が通常よりも強くなり、トレイルが小さくなって自然にステアリングが戻る力が逆に働きます。サスペンションフォークが縮んでヘッドアングルが立ったときにもトレイル量は変化します。K.I.S.はセンタリングする力を一定にして、ハンドリングの改善とコントロール性の向上に貢献します。

岩や木の根に当たってステアリングが横を向いたり、オフキャンバーでバイクが斜面の下側に向こうとする場面では、走りたいラインをトレースするにはライダーがかなりの力でコントロールしなければなりません。しかしK.I.S.がステアリングのセンタリングを補助するので、比較的小さな力でラインをキープすることができます。

トレイルは前輪の接地面がしっかりとグリップしていないと効果を発揮しません。滑りやすい路面でグリップ力が弱まると、トレイルによるセンタリング力が弱まります。また、急斜度の上りでも前輪が浮いてグリップを瞬間的に失うことがあります。K.I.Sがあれば、このような瞬間にもステアリングが予想外の挙動をすることはありません。

上り坂で速度が落ちるとトレイルによる力が小さくなって反応が鈍くなります。そうなるとホイールがフラつきやすいので、急斜度の上りではバイクをまっすぐ進めることが難しくなります。K.I.S.はこのような状況でステアリングを安定させて、ライダーが坂を登ることに集中できるようにサポートします。