グラベルのギア比ガイド:1xと2xドライブトレインの選び方
あなたのグラベルバイクとライディングスタイルに最適なギア比が分からず迷っていますか?正しい選択をするために知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。
速さ、走破性、快適さ、コントロール性 - ギアレシオ(ギア比)選びはバイクの走りを大きく左右します。近年のバイクでは多種多様な構成から選ぶことができ、その選択がピッタリとはまると、バイクと一体化した感覚を味わえます。
この記事では、グラベルに適したギアレシオ、さまざまなオプション、1xと2xの意味、実際の走りにどう影響するのかを解説します。グラベルバイクで最適なギアセットアップを選ぶ際の参考にしてください。
目次
グラベルに適したギアレシオとは?
ギアレシオ(ギア比)とは、特定のギアに設定した際のフロントチェーンリングとリアスプロケットの歯数の比のことで、ペダルを1回転させたときに後輪が何回転するかを表す値です。
この値は前後のギアの歯数の違いで決まります。式に表すと、ギアレシオ=(チェーンリングの歯数)÷(スプロケットの歯数)となります。たとえば、チェーンリングが42Tでスプロケットが21Tだったとします。この場合の計算式は「42÷21=2:1」となり、ペダルが1回転すると後輪は2回転することになります。これは中程度のギア比で、平坦路をゆっくり流したり緩い坂を登るときに適したギアです。
以前は、ギアレシオの種類というと主に2つでした。そのひとつは高速域を重視したロード用ギアで、幅広い速度域や傾斜に応じてギアを細かく調整しケイデンスを適切に保つ設定となっています。もうひとつはマウンテンバイク用ギアで、激坂に遭遇したときの走破性を最大限に高めるためローギアを重視した設定となっています。グラベルバイクの場合はこの2つの中間で、平坦路でスムーズに高速巡航するためのギアとオフロードの上りで求められるギアを組み合わせたものとなっています。
以下に、グラベル用のギアレシオの例をいくつか挙げ、それぞれに適した使用シーンを説明します。2x構成のチェーンリングは46Tと30Tを使用するのが一般的で、1x構成では40Tがよく使われます。これについては後ほど詳しく説明します。
| チェーンリング | スプロケット | ギア比 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 46 | 11 | 4.2:1 | 超高速ライド、平地の高速走行、ダウンヒルに適した非常に重いギア比 |
| 30 | 21 | 1.4:1 | サドルに腰を下ろしてペダルを漕ぎ続ける長い上りに適した、比較的軽めのギア比 |
| 40 | 19 | 2:1 | 平地や緩い上り坂を軽く流すのに適した中程度のギア比 |
| 40 | 46 | 0.9:1 | 難しいセクションや荷物を満載したバイクパッキングでの登坂に向けてローギアが非常に軽い |
考え得るすべてのギア比を細かく見ていくとキリがありません。トップギアとローギアのギア比を把握し、ライドに適したギアを選ぶことが重要です。
どのギアが自分に最適かわからない場合は、バイクに合わせたギア比の選び方ガイドで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
グラベルバイクのギア設定が速さや登坂能力に及ぼす影響
ギア設定について考えるなら、まずはケイデンスについて理解しなければなりません。バイクライドでは、ケイデンスとはライダーが1分間にペダルを回す回数(RPM)を意味します。つまり、どれだけ速くペダルを漕ぐかを表します。
踏む力(パワー)とギア選択の関係に着目し、実際の走行でのケイデンスの例を以下に示します。
- 110 RPM:高めのケイデンス。ペダルを踏む力を弱めにして高回転で回すペダリングで、タイヤをしっかりグリップさせられますが効率はそれほど良くなく、スピードはあまり出ません。
- 80~90 RPM:中程度のケイデンス。一定ペースでバランスよく走る際に適しています。
- 70 RPM未満:低めのケイデンス。強くゆっくりと踏み込むペダリングで、平地での高速走行や非常に厳しい登坂に適しています。
走っていると自然と楽なケイデンスに落ち着きますが、グラベルライドでは滑りやすい路面や上り坂、起伏のある道を走ることが多くなります。そのため、コントロール性、トラクション、持久性を重視して軽めから中程度のギアを使う時間が大半を占めます。適切なギアレシオに構成しておけば、意識せずとも適切なギアを選べ、どんな道でもケイデンスを維持できます。
Canyonのグラベルバイクは、オンロードとオフロードが混在するライド独自の特性に合わせて開発されています。Grailシリーズはレース向けの設計で、ロードバイクに近い、フラットな道を速く走るための高速域を重視したギア設定となっています。一方でGrizlシリーズはさまざまな上り坂を想定した設計で、荒れたトレイルやバイクパッキングギアを積み込んで重くなった状態に最適化されています。
グラベルバイクのギア設定:1xと2xの比較
1xや2xとはバイクのチェーンリングの枚数を表します。1xの場合は1枚、2xの場合は2枚です。グラベルバイクのギアを理想的な設定にするうえで、非常に重要な要素のひとつとなります。簡単に言えば、チェーンリングが2枚あるとギア段数が2倍になり、使用できるギアレンジを最大限に広くすることができます。ただし、1x構成よりも複雑になるので、単にギアが多ければよいというわけではありません。
チェーンリング2枚の場合、スプロケットの中央あたりのギアはかなりの部分でギア比が重複します。レース向けのGrailモデルの一部に採用しているShimano GRXを例に見てみましょう。この場合、46-30Tのチェーンリングに11-36Tのスプロケットの組み合わせが一般的です。このセットアップであれば、だいたい46T×28~36Tと30T×17~24Tの範囲でギア比が重複します。
つまり、アウターチェーンリングと真ん中からロー側のギアの組み合わせは、インナーチェーンリングと真ん中からトップ寄りのギアの組み合わせとほぼ同じギア比となります。実際の走行では、突然大きくギア比が変わらないように、スムーズかつ連続的に変速する中央付近のギアを使っているときにフロントを変速します。これは競技志向の高速ライドで細かくギアを調整したい場合に適した方法です。
1x構成グラベルバイクのギア設定:シンプルさと扱いやすさを重視
斜度が厳しく難しい上りや荒れた路面の下り、荷物を満載したバイクパッキングであれば、1x構成のドライブトレインが非常に便利です。このようなライドではかなり軽いギアで走らなければならないことが多く、変速時にギア比が大きく変わってもあまり気になりません。
フロントシングルの1x構成にワイドレンジのスプロケットを組み合わせると、かなり広いギアレンジになります。2x構成と比べると信頼性が高く軽くてシンプルで、チェーンリングは巧妙な設計のナローワイドとなっていて、路面に凸凹や岩があってもチェーンをうまく保持します。
1x構成グラベルバイクの長所と短所
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| シンプルさ:フロント変速用のディレーラーやケーブルが不要で、パーツ数が少なくメンテナンスも簡単です。 | ギアレンジが狭い:ギア段数が少ないため特に中央付近でギア比の差が大きく、幅広い状況で適切なギアを選ぶことが難しくなります。 |
| 重量が軽い:パーツ数が少ないので軽くなり、高速性能や加速性能が向上します。 | 変速時のギア比の差が大きい:ケイデンスを一定に保つのが難しくなります。 |
| 干渉しにくい:パーツ数が少ないためタイヤクリアランスが広くなり、石や泥が詰まりにくくなります。 | 体力的に不利:乗り方やセットアップ次第では、厳しい上りで大変だったり、平地や下りでのトップスピードが限られたりします。 |
| チェーンが落ちにくい:専用設計のチェーンリングでチェーンが脱落しにくくなっています。 | 効率が低い:スプロケットのローギアとトップギア付近ではチェーンラインの角度が大きくなって摩擦抵抗が増え、駆動効率が低下します。 |
グラベルバイクを1x構成にするなら、幅広い状況に対応できるように40~42Tのチェーンリングをおすすめします。かなり荒れた道や厳しいコースに挑む場合、たくさんの荷物を積み込むバイクパッキングでは、上りを楽に登れるように38~40Tのチェーンリングを使うとよいでしょう。
CanyonのGrizlとGrailの多くのモデルはSRAM XPLRの1xグループセットを装備しており、どんな道にも対応できるワイドレンジのギアとなっています。
2x構成グラベルバイクのギア設定:ギアレンジと精密な走りを重視
チェーンリングが2枚でフロントディレーラーを装備したバイクなら、あらゆる場面で理想的なギアを選べます。ギア間の差がかなり小さいため、常に最適なケイデンスを保って走れます。
構造は少し複雑にはなりますが、ペダリングがスムーズでトップスピードも速いので、オンロードとオフロードが混在するルートや平坦で締まった路面のグラベルレースに適しています。
2x構成グラベルバイクの長所と短所
| 長所 | 短所 |
|---|---|
| ギアレンジが広い:厳しい上り坂やハイペースで走りたいときのギアの選択肢が広がります。 | 構造が複雑:パーツ数が多いので故障箇所が多くなり、メンテナンスの手間も増えます。 |
| ギア間の差が小さい:幅広い状況でケイデンスを細かく調整できます。 | 重量が増える:パーツ数が多いので重くなります。 |
| トップスピードが速い:ギアが多いとトップギアを重く設定することができ、平地や下りでのトップスピードが速くなります。 | コスト:2x構成のクランクセットとディレーラーを合わせると、1x構成のパーツよりも高くなります。 |
Shimano GRXグループセットは、長い歴史を持つロードバイクとマウンテンバイクの両方のテクノロジーの長所を取り入れた、グラベルに特化した設計となっています。Shimano GRXの2xドライブトレインを装備したレース仕様のGrailは、オンロードとオフロードが混在するルートでの汎用性が最も重視されていて、スピードと精密な走りが求められる用途に適しています。
グラベルバイクのギア設定:1xと2xの比較
| 1x | 2x |
|---|---|
| 軽くてシンプルなセットアップ | 変速時のギア比の差が小さい |
| ギア段数が少なくギア間の差が大きい | パーツ数が多くメンテナンスの手間がかかる |
| チェーンの保持力が高く脱落しにくい | 平地や下りでトップスピードが速い |
| タイヤクリアランスが広く泥や石が詰まりにくい | ギアの選択肢が多くケイデンスを調整しやすい |
どちらが自分に最適かを選ぶ際は、シンプルさとギアレンジのどちらを重視するかを考えましょう。
チェーンリングとスプロケットの適切な組み合わせを決める方法
グラベル用のギア設定を自分好みに合わせ込むなら、チェーンリングの歯数以外にも考えることがあります。チェーンリングとスプロケットにはさまざまなサイズがあり、ライディングスタイルに合わせて選択することができます。選ぶ際は、最適なサイズだけでなく、自分の乗り方に最も合った、バランスよくスムーズに走れるギアレシオの範囲をカバーする組み合わせを意識して選ぶことが重要です。
チェーンリングのサイズの選び方
サイズが大きく歯数が多いチェーンリングは高速域を得意としていて、このため速度域が高いロードバイクによく使われます。マウンテンバイクでよく使われる小さいチェーンリングは上り坂や荒れたテクニカルなセクションで軽いギアを使うことができ、速さよりもコントロール性が必要な場面に向いています。最新のグラベルバイクはこの2つの間のギアレシオとなっていて、ライディングスタイルや目標によってグラベルライドのチェーンリングの最適なセットアップは変わります。
山岳路を長く走る場合やバイクパッキングで荒れた道を走る場合は、車輪がスムーズに回転してタイヤが坂道でもしっかりとグリップするように、—40T以下—の小さいチェーンリングがいいでしょう。Grizl CF SLXは40TのSRAM 1xシステムを装備しており、この構成はまさに、けわしい上り坂や荷物を満載したアドベンチャーライドに向いています。
スプロケットのギアレンジの選び方
チェーンリング以外にも決めなければならないことがあります。ギアレシオについては、スプロケットのほうが大きく影響します。最新のCanyonグラベルバイクは10~13速のスプロケットを装備しています。つまり、スプロケットのギア段数が10~13段で、さまざまなライディングスタイルに対応できるよう設計されています。
チェーンリングと同様に、スプロケットのラベルに記されている数字はそのギアの歯数を示しています。ただし、各スプロケットの歯数をすべて記載するのではなく、最小歯数と最大歯数で範囲を示し、ギアレンジを把握できるようになっています。
スプロケットの歯数の大小の効果はチェーンリングと逆になるので、注意が必要です。10Tや11Tなどスプロケットの歯数が少ないと、ペダル1回転あたりの車輪の回転数が増えます。逆に42Tや50Tといった歯数が多いギアではペダルが軽くなります。
10-44Tといったワイドレンジのスプロケットは汎用性が高く幅広い地形で使うことができ、グラベルライドやアドベンチャーライドに適しています。逆に11-36Tのようなギアレンジが狭いスプロケットは変速時のギア比の変化が小さく、ケイデンスをスムーズに保って一定の感覚でペダルを踏むことができます。
走る地形に合わせてグラベルバイクのギアレシオを最適化
グラベルバイクを完璧にセットアップするには、クランクセットとスプロケットの組み合わせが走る場所や乗り方にマッチするように、機能的なギアレシオにしなければなりません。これは、高速域と登坂時の性能のバランスと考えてください。
起伏のあるルートでは、40Tのチェーンリングに10-44Tのスプロケットを組み合わせると、ギアレシオは4:1から0.9:1までとなり、さまざまな斜度でスムーズなケイデンスを維持しやすい設定となります。オフロードを探検したいときやバイクパッキングライドでは、厳しいセクションに遭遇しても軽いギアで対応できるように、38Tのチェーンリングに11-48Tのスプロケットを組み合わせるといいでしょう。
チェーンリングの歯数が増えると各ギアのスピードが全体的に速くなり、トップスピードがいちばん大きく影響を受けます。グラベルレースを走るなら、44Tのチェーンリングに10-36Tのスプロケットを合わせると、ギアレシオは高速側で4.4:1、登坂で必要となるロー側は1.2:1となります。
Canyon GrizlとGrailが装備しているSRAM XPLRドライブトレインは実用的なバランスを実現しています。それぞれがバイクの用途にマッチするように細かく調整されていて、高速のグラベルロードを全開で走るグラベルレースにも、滑りやすい山岳路のグラベルを探検するアドベンチャーライドにも対応します。
身体能力やライディングスタイルに合う適切なギア設定を選ぶ
好みのギアレシオは、ライダーの体力やライディングスタイル、自然に踏めるケイデンス、そして走る場所によって変わるため、人それぞれです。
Canyonのグラベルバイクのジオメトリーとギア設定は、それぞれの用途に適合するようにバランスが慎重に考慮されています。バイクがライダーとしての自分の目標にマッチしていれば、グラベルの世界に飛び込む準備は万全です。適切なバイクを選び完璧にセットアップするなら、ぜひCanyonのパーフェクトポジショニングシステムとグラベルバイクファインダーツールを活用してください。きっとお役に立ちます。
身体能力が向上して自信がついたら、新しい自分にマッチするようにチェーンリングとスプロケットの歯数を変えてみるといいでしょう。
適切なセットアップでグラベルライドをさらにレベルアップ
汎用性かスムーズな走りか、グラベルライドに求めるものは人によって違います。技術的なことを考えすぎると迷ってしまいがちですが、ギアを適切に設定するには自分がやってみたい走り方を知ることが大切です。それを理解すれば、自然と最適な選択が見えてきます。
適切なギアレシオで自分の走りによく合ったコンポーネントを使用すると、どんな場所に行ってもいいリズムで気持ちよく乗ることができ、グラベルライドがもっと楽しくなります。Canyonのグラベルバイクはシンプルさ、信頼性、パフォーマンスのバランスを慎重に考慮した設計となっていて、目標に向かって走るライダーをすべてのモデルが後押しします。ワイドレンジな1xコンポーネントから精密な走りを重視した2xシステムまで、Canyonのセットアップはグラベルライドをレベルアップさせるための構成となっています。バイク選びをどこから始めたらいいかわからない方は、バイクファインダー、バイク比較ツール、グラベルバイク購入ガイドをご利用ください。きっと好相性のバイクが簡単に見つかります。
土煙の舞う森の中のトレイルを探検したり、夜通しのアドベンチャーライドに挑んだり、オンロードとオフロードが混在するレースを全開で走ったりするような用途に適した機材を使うと、バイクはより遠くまで連れて行ってくれます。セットアップを完璧に合わせ込むと、バイクに乗ることや目的地に到達することにしっかりと集中できます。
グラベルバイクのギアレシオについてよくある質問
グラベルバイク
この記事はお役に立ちましたか?
フィードバックいただき、ありがとうございます
-
著者についてChris Hunt
クリスはイギリスのブリストルに居を構えるフリーランスライター兼コミュニケーション担当者で、アドベンチャーサイクリングを楽しんでいます。10代のときにバイクショップで働いた経験がこの世界への入口となり、カーゴバイクでの配達からバイクパッキングで何日もオフロードを走る旅まで、さまざまなスタイルで膨大な距離を走った経験があります。アドベンチャー関連のメディアに10年以上勤務した後、サーフ関連のメディアでジャーナリストとしてデビューし、その後BASEマガジンの編集者となりました。最近では、ギアのレビュー、ライドの紀行文の執筆、長距離ルートの開発など、サイクリングにまつわるさまざまな仕事も手掛けています。また、バイクライドの多種多様な楽しみ方を紹介するオンラインマガジンのPinch Flat Journalの創設にも携わりました。2025年は、出場を何年も夢見ていたスペインからルーマニアまでの5,000kmを17日間で走る大陸横断レースの第11回大会に出場しました。