マウンテンバイクのサイズ選び:マウンテンバイクサイズガイドの完全版
マウンテンバイクを買いたいけれど、自分に合うサイズがわからない。そんな方のために、短めのシンプルなガイドをご用意。サイズの選び方をご紹介します。
お気に入りのマウンテンバイクを見つけるためには、バイクをフィットさせることが最も重要となります。テクノロジーや機能性、ガジェットが希望どおりでも、バイクが体に合わなかったら心から楽しむことはできません。バイクのサイズが自分にフィットしていると、コントロールしやすく快適に乗ることができます。Canyonは、バイクの直接販売のパイオニアとして、実際にお客様にお会いして体を測定しなくても適切なバイクサイズをお選びいただけるように、かなり時間をかけて模索してきました。
経験豊富なライダーの方でもマウンテンバイクに初めて挑戦する方でも、バイクフィッティングの重要性は変わりません。パーフェクトポジショニングシステムの利用方法からマウンテンバイクのジオメトリー表の詳細解説まで、このガイドではご自身の体にフィットするマウンテンバイクの選び方を2種類ご紹介します。
目次
フレームサイズが重要な理由
バイクに長く楽しく乗り続けたいなら、フレームサイズは重要な要素のひとつです。フレーム形状はフィットするバイクを選ぶための基本中の基本となります。もし体格に合わないフレーム形状のバイクを購入してしまったら、買い替える以外の方法での解決は難しいでしょう。シートチューブが長すぎてペダルに足が届かなかったり、トップチューブが短すぎてひざがハンドルに当たったりするようなバイクでは、トレイルを思うように楽しむことはできません。
Canyonバイクのサイズ設定
CanyonはほとんどのモデルでXSからXLまで5種類のサイズを展開し、身長150~200cmの幅広いライダーに対応しています。ダウンヒルレース用バイクのSenderなどニッチな乗り方に向けたグラビティバイクでは、サイズ展開が少し限定されている場合もあります。
モデルごとにサイズチャートを掲載しています。この表では、身長と股下長から適切なバイクサイズがわかります。パーフェクトポジショニングシステムを利用したことがある方は、下の表のどこにあたるかが示されているかと思います。
一部サイズでホイールが27.5インチである理由
Canyonでは、どのバイクもライダーを想定して開発しており、ライダーに合うサイズを用意するという哲学に徹しています。その指針として、小柄なライダーには29インチの後輪がベストフィットするとは限らないと考えています。小さめのサイズではほとんどのケースで後輪に27.5インチホイールを採用し、小柄な方でも扱いやすいように前後27.5インチのモデルもあります。
経験豊富なライダーなら、どちらのサイズのホイールが好みかはっきりしている方もいらっしゃるでしょう。たとえば、Strive、Lux、Exceedといったレースに特化したバイクは速さを追求した設計となっているので、全サイズで前後29インチとなっています。ハンドリングに若干の影響がありますが、レースでは速さのほうが重要であるとCanyonは考えます。一方で、Senderは全サイズで後輪が27.5インチとなっています。これはマレットと呼ばれるセットアップで、ほとんどのダウンヒルレーサーにとってこのセッティングが最速であると考えられます。
その中間が、本格派トレイルバイクのSpectralです。トレイルでバイクを振り回して楽しめるように、標準ではマレットセットアップとなっていますが、Flip Chipのセッティングを替えると前後29インチのセットアップに変更できます。
経験が浅めのライダーに向けたマウンテンバイクのフレームサイズ選び
ジオメトリー表を延々と眺め続けるのは難しそうだとかつまらないと感じる方は、ぜひCanyonが開発したパーフェクトポジショニングシステムをご利用ください。簡単な項目を入力するだけで、5分もかからずに推奨サイズが算出されます。お客様から得られたデータによると、98%の方にはこのシステムが弾き出したサイズが適切であったという実績があります。
パーフェクトポジショニングシステムを使用するために必要なもの
壁、メジャー、手頃な本か水準器と5分ほどの時間があればこのシステムを利用できます。身体測定を手伝ってくれる人がいると便利ですが、自分ひとりだけでも問題なく測定可能です。
パーフェクトポジショニングシステムのしくみ
システムが身体測定の方法を説明し、その値からマウンテンバイクのおすすめサイズを提示します。また、おすすめのサドル高も同時に示します。Canyonウェブサイトにログインしていると、この結果が自動的に記録され、バイクの製品ページにアクセスしたときにその結果が表示されます。
2つのサイズの中間の場合はどうしたらいいでしょうか?
2つのサイズの中間あたりが適正な場合、1サイズ上と下のどちらにすればいいでしょうか。つまり、大きめと小さめのどちらのMTBのほうが適しているでしょうか。どちらにもメリットとデメリットがあります。小さめのサイズを選ぶと扱いやすいバイクとなります。しかしそれと引き換えに、高速時の安定性は大きめのバイクよりも下がります。自分に合っているのはそのどちらか、よく考えてみましょう。
比較的経験が浅い方には小さめのサイズをおすすめします。パーフェクトポジショニングシステムを使用するとどちらのサイズもフィットするという結果が出ますが、小さめのバイクのほうが乗りやすいことが多いでしょう。大きめのバイクにするとトレイルで敏捷に動くのが難しく、どちらかというとハンドリング特性について熟知している上級MTBライダーの好みに適しています。
上級ライダーに向けたマウンテンバイクのフレームサイズ選び
MTBライドの経験が増えてくると、どんなフィーリングのバイクが好きかという傾向が定まってきます。これは特に下りを楽しむグラビティ系のライダーに顕著です。このようなライダーにとっては、トレイルに挑むときにバイクがどのような挙動を示すかがきわめて重要となります。サイズ選びは、バイクの挙動全般に大きな影響を及ぼします。たとえば、ホイールベースが長いバイクは高速域で安定しますが、低速のテクニカルなトレイルは扱いが難しく苦手です。小さめのバイクは敏捷に動きますが、トップスピードでの安定性は低くなります。
完璧にフィットするMTBを選ぶには、ジオメトリー表をじっくりと見る必要があります。この表にはライダーの適正身長とサドル高の両方が記載されているので、MTBのサイズ感がわかりやすくなっていますが、こだわる方はすべての数値を細かく検討することもできます。
バイクサイズ選びでシートチューブ長について注意すること
バイクフィッティングの中でドロッパーポストは重要事項となっていて、サドル高の計算にシートポストの長さを入れておかないといけません。現在、ドロッパーポストが広く一般化し、その長さも長くなっています。特定モデルの標準のドロッパーポストよりも長いものを使いたい場合は、シートチューブ長を確認する必要があります。Canyonのジオメトリー表の数値は、バイクに付属する標準のシートポストがベースとなっています。
MTBのサイズ選びでリーチについて注意すること
SpectralなどCanyonのバイクの多くはシートチューブ長が短めになっていて、リーチの好みに応じてサイズを選ぶことができます。リーチとはボトムブラケット中心からヘッドチューブまで水平にのびた仮想的な線の長さのことで、バイクの前三角の実質的な長さを表します。この値は、マウンテンバイクのハンドリング特性を決める要素として最も重要です。
ダウンヒルバイクのサイズ選び
Senderのようなダウンヒルレース用バイクでは、ほとんどのライダーがサイズ選びの際にリーチを最も重視します。この種のバイクでは、最高速域ではサドルに座ることがほとんどなく、ペダリングが必要なときはサドルよりかなり高い位置に腰を浮かせて踏み込むことが多いため、サドルが邪魔にならないようにシートチューブはかなり短く設計されています。バイクフィッティングでシートチューブ長のことを気にする必要はほぼなく、かなり体格が小さいライダーでもXLサイズに乗ることができます。しかし、バイクのリーチが長すぎると、うまく効率的に走ることができません。
From fast-flowing trails to the most extreme downhill courses, Canyon’s mountain bikes are built to push your limits and amplify your ride.
- Canyon Spectral is your all-round trail weapon - engineered for playful agility, confident control, and pure trail fun across any terrain
- Canyon Sender built to dominate the world’s toughest downhill tracks, it delivers uncompromising speed, control, and race-ready performance for the most demanding riders.
トップチューブ長をあまり参考にしない理由
かつてはバイクサイズを選ぶ際にトップチューブ長がよく使われていました。しかし今ではあまり参考にされません。というのは、トップチューブ長はシートチューブとトップチューブの角度の影響を受けるからです。マウンテンバイクのフィーリングを理解しやすいように、Canyonでは計測値としての信頼性が高いリーチを使用します。
女性用マウンテンバイクのサイズを選ぶコツ
Canyonのバイクは特定の性別に向けた設計となっていません。何年も研究を重ねた結果、バイクの快適性を左右する最も重要な要素はフィッティングであると考えています。パーフェクトポジショニングシステムをご利用いただいたライダーの98%から適正サイズのMTBを選ぶことができたという報告をいただいているので、お客様にぴったりフィットするバイクを確実に選ぶことができます。
ヤングライダー用マウテンバイクのサイズを選ぶコツ
Canyonは、このスポーツの将来を担うヤングライダーに向けて高性能バイクを提供することにかなり力を注いでいます。このため、若い世代向けのマウンテンバイクを大人用のサイズから連続的に展開しています。ヤングライダー用サイズを別途用意するのではなく、たとえばNeuron Young HeroではXXSサイズとXSサイズをご用意しています。体が成長しても同じサイズ表を使うことができ、必要になったらいつでも大人用サイズのMTBに移行することができます。こういう理由から、パーフェクトポジショニングシステムを利用するとバイクの理想的なサイズがわかるようになっています。
それでもまだ適切なバイクサイズがわからない場合は?
ライド中にサイズのことを気にしないでいいように、Canyonはベストフィットするバイクをお届けすることを目標としています。バイクがフィットしているとペダルを踏みやすく、背筋が伸びすぎたりすることがなく、トレイルに自信を持ってトライすることができます。バイクのサイズをぴったり合わせたら、次はマウンテンバイクのセットアップを仕上げましょう。サドル、ハンドル、レバーやスイッチをいちばん使いやすい位置に調整します。
このガイドを読んでもサイズ選びが不安な方は、ぜひオフィシャルパートナーにご相談ください。お客様のバイクフィッティングについて担当チームと相談し、試乗をご予約いただくこともできます。
さらに詳しいガイドをご希望の場合は、Canyonのマウンテンバイク購入ガイドや、ビギナーにやさしいベストMTBガイドなどのマウンテンバイク初心者向けのコツを紹介したガイドもご覧ください。
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著者についてMatt Wragg
マット・ラグはフランスのニースを拠点とするフリーランスのフォトグラファー兼ライターで、バイククラッシャーでもあります。14歳のときに初めて本格的なマウンテンバイクを手にしてからこの世界にすっかり夢中です。XCレース、トライアル、4X、ダウンヒルと経験しましたが、良い成績を挙げることはできませんでした。2004年にバーミンガム大学で英文学の学士号を取得した後は、まずバーミンガム、続いてロンドンでコミュニケーションコンサルタントとして働きました。