GrailとGrizlの比較:あなたにぴったりなグラベルバイクはどちら?
Canyonのグラベルバイクはどんどん多様化しています。ここで一度Canyon GrailとCanyon Grizlの共通点をじっくりと見直してみませんか。自分にぴったりな1台を見つけましょう。

目次
GrailとGrizlの比較:主な違い
レースでも、気ままなライドでも
Canyon Grailは速さに特化したバイクで、軽さと空力性能を重視し、舗装路とトレイルの両方に対応する設計となっています。一年を通してハイパフォーマンスなレースやライドに使えます。
Canyon Grizlはどんな地形もこなせる適応力を重視したグラベルバイクで、ラフな道をのんびり走りたいときにも、長距離のアドベンチャーにも適しています。高い安定性、積載性、大きなタイヤクリアランスが特長で、グラベルライドのスタイルに合わせてOGモデルとEscapeモデルを選ぶことができます。

Grail
飛ばしたいときには軽快に。過酷な場面ではたくましく。Canyon Grailはグラベルバイクの基準となるバイクです。Unboundに出場したりダブルトラックの下りを攻めたりするなら、高速性能に優れたGrailが適しています。
刺激的なハンドリングとフレームのしなやかさで過酷なセクションでは安定する一方、軽量なカーボンフレームによるアップダウンが激しいコースでの速さも自慢です。一体型ストレージを備え、さまざまな路面をどこまでも遠くまで速く走るのに最適なバイクとなっています。
現在、Grailには4つのプラットフォームがあります。トップグレードは最軽量カーボンフレームを使用したCFRシリーズです。他に、多用途性を極めたCF SLX、どんな場面にも適応するDouble Drop Proコクピットを装備したCFR、従来型コクピットのCF SL、そしてGrail ALがあります。CFRとCF SLXでは、CanyonとDT Swissが共同開発したRIFTサスペンションフォークをオプションで選べます。

Grizl
Canyon Grizlは、完全新型カーボンフレームを使用した、どこにでも行けてどんな冒険にも使える究極の万能グラベルバイクです。54mmのタイヤクリアランス、内蔵式のLOADストレージ、豊富なマウントポイント、過酷なトレイルでもコントロールしやすいハンドリングが特長で、思いのままに走れる理想のマシンとなっています。
グラベルライドへの情熱を無制限に解き放つため、Grizlに2つのシリーズが生まれました。それがOGとEscapeです。どちらのGrizlでも、CanyonとDT Swissが共同開発したRIFTサスペンションフォークと、冒険の最中に電源を供給してくれる無限充電・ライト統合電力システムのECLIPSをオプションとして選ぶことができ、さらに専用設計のバッグやキャリアもあります。
Grizl OGは万能ナイフのように便利に使えるグラベルバイクで、ハイグリップタイヤとグラベル専用グループセットを装備し、あらゆる路面を楽に速く走ることができます。
Grizl Escapeはアドベンチャーに特化した構成となっていて、快適性が向上するとともにさまざまなアクセサリーを取り付けられる革新的なFull Mountyコクピットや、タフで転がり抵抗が小さいSchwalbeタイヤを装備。さらにMTBのスプロケットを使用してギアレンジが広い「マレット」構成のギアで、厳しい上りや丸一日走るロングライドも楽にこなせます。
また、お手頃価格で何にでも便利に使えるアルミフレームのALモデル、強力なモーターと大容量バッテリーを内蔵し楽に速く遠くまで行くことができるGrizl:ONflyモデルもあります。
GrailとGrizlの比較:ジオメトリー
荒れた道を走るなら、安定性、反応性、ワイドタイヤを装着できるクリアランスが必要です。
オフロードでの安定性を高めるため、GrailもGrizlもホイールベースがロードバイクより長くなっています。また、ポジションが比較的アップライトで快適に乗ることができます。
スタック+(実質スタック)やリーチ+(実質リーチ)については、Grailはわずかにスタック+が低くてリーチ+が長くなっています。このポジションはエアロ効果が高く重量の前後バランスもよいので、速く走りたい場合に適しています。

GrailとGrizlの比較:タイヤクリアランス
グラベルや岩がちなトレイルを走る場合は快適性が重要です。ワイドタイヤを履くと大きな石の衝撃や細かい振動を吸収してくれるので、スムーズに乗ることができます。
最初に紹介するGrizlとGrailの大きな違いは、タイヤクリアランスです。
過酷な道では、GrailよりもGrizlのほうが得意です。標準で45mm幅のタイヤを装着しているので厳しい冒険の旅で過酷なトレイルを進むことができ、最大54mm幅のタイヤを履けるほどクリアランスに余裕があるので大量の荷物を積んで重くなっても安心です。
Grailの標準タイヤは40mm。オンロードとグラベルが混在するライドにちょうどいい太さです。フェンダーも問題なく装着できます。フェンダーがない場合は最大で42mm幅のタイヤを装着できます。

GrailとGrizlの比較:コクピットとハンドル
Canyon GrailとGrizlのコクピットはバージョンごとに違います。Grailでは、モデルによってDouble Dropハンドルか従来型のハンドルバーとステムが別体のコクピットとなります。Grizl OGも従来型のハンドルとステムですが、Grizl Escapeはさまざまなポジションを取れる究極の「ロングライド用ハンドル」、Full Mountyコクピットを装備しています。
Double Dropハンドルは第1世代Grailの二階建てハンドルで得たノウハウを活かし、さらに軽量化と空力性能向上を進め、アクセサリーやエアロエクステンションを装着できる巧妙な設計で実用的なGear Grooveマウントポイントを採用しています。Double Dropハンドルのドロップ部は大きくフレアしていて、上ハンドルはわずかに後方に曲がり、シフトレバー部分は軽くフレア。快適性とアグレッシブな走りのライディングポジションのバランスを最適化させたハンドルバーです。
Full Mountyは先進的なハンドルシステムです。ステムは分割式となっていて前側に曲線のエクステンションが伸びており、まったく新しいポジションでバイクをホールドできるので超長距離ライドでの快適性が大幅に高まります。この革新的なコクピットには、ライトやGPSから専用設計のバッグ、スペアボトルまでさまざまなものを簡単に装着できます。

GrailとGrizlの比較:ストレージとギアのマウントポイント
グラベルライドの代表的な用途として長距離のバイクパッキングアドベンチャーがありますが、GrailとGrizlのどちらもフレームマウントのオプションが豊富で荷物をたくさん積むことができます。
長距離化・高速化するレースに対応するため、Grailのストレージは内蔵式のLOADコンパートメントとエアロ効果を意識した専用設計のバッグで高速性能を高めています。さらに、従来のカーゴマウントも豊富なので、レースペースではなくのんびり走るライドにも適しています。
何年も風洞実験を積み重ねた結果、フレームストレージはバイクの空力性能向上に効果があることがわかりました。このため、荷物の量やフレームのエアロ性能をどこまで重視するかに応じて内部ストレージと独自のフレームバッグを自由に組み合わせることができるAero LOADシステムをGrail用に開発しました。
Grail用に作られたLOAD FidLock QuickLoaderバッグでは、簡単に脱着できる特殊なクリップシステムを採用しています。フレームとシームレスに融合するので空力性能が高まります。
ノイズを抑える特殊なポーチの中にタイヤチューブ、タイヤレバー、インフレーターを収め、ミニツールとポンプをダウンチューブのハッチから中に入れてロックすることができます。このハッチは簡単に開閉できます。(CFRおよびCF SLXのみ)
どんな場所でも進み続けるアドベンチャーに特化したGrizlは、荷物をたくさん積み込んでも安心して走れるようになっています。ボリューミーなフレームは十分なスペースがあるので、ジャストフィットするCanyonバッグも、みなさんのお手持ちの各種ギアも装着できます。必要な携行品をフレーム内部に収納できるLOADストレージを装備し、前後キャリアはカスタム品、さらにRIFTサスペンションフォークにはカーゴスリーブを取り付けられます。Grizl EscapeのFull Mountyハンドルも収容力が豊富で、ライドに必携のものを簡単に積み込むことができます。

GrailとGrizlの比較:ドロッパーポスト装着可否とサスペンション
グラベルレースが過激化し集団の密集度が高くなっている今、フロントサスペンションは、重量が増加するデメリットよりもサバイバル性や高速性能が高まるメリットのほうが大きくなっています。Canyonは、グラベルに最適なサスペンションを求め、DT Swissと共同でRIFTを開発しました。40mmトラベルのグラベル用フォークはフレームに完全に一体化していてハンドルからコントロールすることができ、他のライダーが減速を強いられる場面で自分だけ速く走れます。また疲れを防ぐとともに疲れてきてもコントロールしやすいので、レースではなく探索やファンライドで荒れた道をどこまでも走り続けるような乗り方をするときも圧倒的に楽になります。CanyonとDT Swissが共同開発したRIFTフォークは、GrailとGrizlの両方で、一部のモデルで選択できます。スムーズな走りで速さが光るアップグレードを試してみてください。
ドロッパーシートポストはMTBライダーにとってほとんど必須の装備となっていて、グラベルアドベンチャーの世界でも広まりつつあります。体を大きく動かせるので、テクニカルな場所で重心を下げて安定させバランスを取りやすくすることができます。このため、新型Grizlのフレームではケーブル操作式のドロッパーポストに対応しています。もちろん、SRAM AXSを搭載したGrizlであれば無線式のRockShox Reverb XPLRシートポストを使うこともできます。
GrailのシートチューブはD型断面なのでドロッパーポストやサスペンションシートポストを使うことはできませんが、かなり大きく変形して快適に乗れるシートポストを標準装備しています。

GrailとGrizlの比較:ECLIPSがライトや冒険用装備の電力を無限に供給。
ECLIPSはアドベンチャーライドを変革する画期的な技術で、現時点ではGrizl OGとGrizl Escapeの一部のモデルだけで選択できます。
ECLIPSはEndless Charge & Lighting Integrated Power System(無限充電・ライト統合電力システム)の略で、革新的な独自設計のおかげで冒険中に日が暮れても心配は不要です。電力は停止中でも供給されます。ECLIPSは、ダイナモやバッテリーだけを使う他のシステムとは違います。このシステムではダイナモとバッテリーを組み合わせ、いつでも効率的かつスマートに発電したり必要な電力を供給したりします。
GrailとGrizlの比較:レビューの紹介
ここまではCanyonの視点からバイクを紹介してきました。一方で、サイクリングメディアはどのように評価しているでしょうか? レビュー記事をいくつかご紹介します。
"新しいステム一体型ハンドルが印象的。下ハンドルを持つとコクピットが変形しているのがはっきりとわかります。またレースモデルでは荷物やマッドガードを取り付けるオプションは珍しいですが、実用的でうれしい装備です(Best of Test 2023)"
TOURマガジン
"地元のさまざまなグラベルセクションで記録したベストタイムは、他のバイクよりもこのバイクで取ったものが多くなっています。世界選手権やさまざまな国際グラベルレースでの優勝実績が示すとおりその速さは折り紙付きで、グラベルが好きなホビーライダーのレベルを引き上げてくれるバイクと言えるでしょう(Gear of the Year 2023)"
- off-road.cc
"思わず見とれてしまうほど美しいバイク。そして軽くて反応性がいいので気持ちいい。乗るのがとにかく楽しくて、どんな道でもよく走り、メンテナンスが楽で、何にでも使える多用途性もあり一日中走るロングライドや何日も続くバイクパッキングアドベンチャーに最適です。Grizl CF SL 8 1byは、私が考えうる限りほぼ完璧なグラベルバイクとなっています。星5つ"
T3.com
"オールラウンド用グラベルバイクとして優秀。非常に快適性が高くてハンドリングのバランスがよく、幅広い用途に理想的です。アドベンチャーやオフロードライドでかなり高性能なバイクで、タイヤクリアランスに余裕があり、マウントオプションも豊富です(リジッドフォークの場合)。ドロッパーポストにも対応し、デザインやジオメトリーはそれほどレースに特化したものとはなっていません"
- Gran Fondoマガジン

GrailとGrizl、どちらを選ぶ?
このカテゴリーを代表するCanyonグラベルバイクのどちらが自分にとって合っているか、決まりましたか? 重要ポイントをわかりやすく箇条書きにまとめました。もう一度確認してみましょう。
以下が必要ならGrailがおすすめです。
- 軽さを重視し空力性能にも優れたレース用グラベルバイク。
- オンロードとトレイルのどちらも使えるというだけでなく、どちらの路面でも高性能なバイク。
- どんな条件でも一年中ライドやレース、トレーニングに使えるハイパフォーマンスバイク。
- オプションでRIFTサスペンションを選択可能。他のライダーが疲れてきても自分だけは疲れずスピードが落ちません。
- 荷物が少なめのバックパッキングアドベンチャーに適した速さ重視のグラベルバイク。
以下が必要ならGrizl OGがおすすめです。
- どんなライドも自由に楽しめる万能なアドベンチャーバイク。
- テクニカルなトレイルではマウンテンバイクとしても使えるグラベルバイク。
- オプションでECLIPSを選択可能。走りながら発電できるので、SNSの最新情報をチェックしたり自然の中を一晩中走り続けるアドベンチャーに最適です。
- オプションでRIFTサスペンションを選択可能。きわめて過酷なトラックも走れます。
以下が必要ならGrizl Escapeがおすすめです。
- ライダーの冒険心を満たしてくれる、どんな地形にも対応する革新的なアドベンチャーバイク。
- 荷物をたくさん積めるバイク。
- 快適性と積載性に優れた長距離ライド用のFull Mountyハンドルバー。
- 過酷な旅の相棒となるタフで頼れるバイク。
- オプションでECLIPSを選択可能。冒険中に電源が取れなくても走りながら発電できます。
- オプションでRIFTサスペンションを選択可能。長距離ライドがもっと安全で快適になります。
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