グラベルバイク初心者ガイド:最適なエントリーレベルグラベルバイクの選び方
グラベルライドに挑戦したいですか? あなたにぴったりのバイク、装備、コースを見つけましょう。


グラベルライドはサイクリングの世界で急激に人気が高まっています。このライドは多くの人にとって非常にバランスがよく、ロードライドよりも自然に近くて静かなところを走り、マウンテンバイクよりも距離が長く、ライド全体を楽しむことが重視されます。あまりにもたくさんの魅力にあふれているので、初めての方が混乱してしまうのも無理はないかもしれません。
グラベルを楽しむライダーはさまざまな魅力を語ります。つまり、グラベルライドには多種多様な楽しみ方があるということです。郊外でリラックスしてライドを楽しむという方が多いと思いますが、大自然の荒野を旅したり、ハイスピードでレースを走ったりというジャンルもあります。このガイドでは、最適なグラベルバイクの選び方、グラベルライドの必需品、近くでグラベルライドができる場所を探す方法について説明します。
目次
グラベルライドを始める理由
「グラベルライドはバランスの取れたバイクライドだと思います」 一度だけでなく二度も世界一周した経験を持つCanyonのグラベルアスリート、ベダンギ・クルカルニは、自転車での旅について誰よりも詳しく知っています。「ロードバイクに乗って交通量の多い道を走る気分になれない日はあるものです。ほとんど車の通らない森の中の小道に行けば、自然の中を自由気ままに走れます。これはオフロードライドを始めたい人にぴったりで、それほど大変なことはありません。そしてマウンテンバイクよりもオフロードをもっと楽しむことができます」
ベダンギのような考えを持つ人が今はどんどん増えています。ここ数年で道路の交通状況は悪化し、交通量も増加しているように思えます。オンロードを走るサイクリストは、グラベルに来ると普段のライドと違って自動車の煩わしさから離れて自然の中へと溶け込むことができ、マウンテンバイク派の方はロングライドの楽しみを知ることができます。初心者にとってはシンプルなので最初に経験するライドに適しています。
エントリーレベルの各種グラベルバイク
グラベルライドの楽しみ方は幅広いので、1種類のバイクがそのすべてにフィットすることはありません。このため、CanyonではGrizl OG、Grizl Escape、Grailという複数のグラベルバイクを展開しています。どれもビギナーにも扱いやすいグラベルバイクとなっています。ポイントは「どんな乗り方をしたいのか?」これに尽きます。ベダンギが最も重視していることをご紹介しましょう。「いちばん太いタイヤを履けるモデルを確認します。タイヤの太さはバイクの走破性に直結します」
Grizl AL
Canyon Grizl ALは、汎用性、信頼性、高いコストパフォーマンスという、ビギナーにやさしいグラベルバイクとして必要な要素をすべて備えています。軽くて頑丈なアルミフレームはリラックスして乗れるジオメトリーとなっていて、オンロードを長距離走るのにもオフロードライドを楽しむのにも適しています。ビギナーは、このグラベルバイクならあまり力まずにライドを楽しめます。経験を積んできたら、よりハードな冒険やバイクパッキングの旅にも使えます。
Grizl OG
ベダンギは、地元の森の中の道でもはるか遠くの山々を走るときでも、シンプルで頑丈、高い走破性を持つGrizlをあらゆるライドで使っています。「私はいつでもGrizlに乗って出かけます。このバイクはどこにでもつれて行ってくれます。今はスコットランドに住んでいて、このバイクでロードライドに出ると、列車に乗っているときなんかに見たオフロードに出くわすことがあります。すると、『このグラベルはどこに続いているんだろう?』と気になります。山の頂上につながっていると最高ですね。もしそうでなくても、知らない場所を探検することができますし」
Grizl Escape
新しくラインナップに加わったGrizl Escapeは、壮大なライドに挑戦したいライダーに向けた設計となっています。画期的な機能性のFull Mountyハンドル、冒険に適したワイドなギアレンジと太いタイヤが特長で、想像力の翼が届く限りどこまでも遠くへ行くことができます。
Grail
Grailは高速性を重視したグラベルバイクです。低くてロングホイールベースのジオメトリーとなっていて、ロード用のレースバイクをグラベルに持ち込んだような感覚です。「ロードバイクとグラベルバイクを別々に1台ずつ買う余裕がない方には、Grailのようなバイクを選ぶことをおすすめします。この手のバイクは万能で、グラベルバイク本来の性能を持ちつつ、ロードバイクのようなフィーリングも楽しめます」とベダンギは語ります。このバイクで世界中を走った彼女が言うのだから間違いありません。
グラベルライドに必要なのはカーボンフレーム?アルミフレーム?
Canyonの現行グラベルバイクのほとんどはカーボンフレームです。ロングライドでは、カーボンの軽さや乗り心地のよさというメリットは決して無視できないでしょう(Canyonのカーボングラベルバイクのラインナップはこちら)。しかし、ビギナーには少しハードルが高いかもしれません。このため、お手頃価格のアルミフレームのGrizlもご用意しています(Canyonのアルミグラベルバイクのラインナップはこちら)。カーボンモデルと同様に走破性が高く高剛性で頑丈なバイクで、オフロードの冒険に初めて挑む方にもきっとお気に入りいただける優秀な機材となっています。
Canyonからのアドバイス:グラベル初心者であればGrizl ALのようなバイクを選べば間違いはないでしょう。コストを抑えつつも高品質なバイクで、後から自分の好みがわかってきたときにいつでもカーボンバイクにアップグレードできます。
カーボンフレームのメリット | アルミフレームのメリット |
---|---|
アルミよりかなり軽量 | 価格が大幅にお手頃 |
振動吸収性に優れ快適性が高い | 頑丈で日常的に使いやすい |
剛性が高くパワー伝達効率を最適化 | 破損時に修理しやすい |
適切にケアすれば長持ち | ビギナーに最適 |
グラベルバイクにサスペンションは必要?
いいえ、必ずしも必要とは言えません。ほとんどのライダーにとってサスペンションはコストや重量、複雑さが増す原因となるので、エントリーレベルのバイクにはあまり必要がないでしょう。現時点ではサスペンションはレースや非常に過酷なアドベンチャーライドで使用されることが多く、CanyonはGrail CFR Di2 RIFTやGrizl CF8 RIFTといったハイエンドモデルで採用しています。グラベルライドを気軽に試してみたいという方は、サスペンションのことは気にする必要はありません。
ホイールサイズについては注意が必要?
こちらも気にする必要はありません。マウンテンバイクではホイールサイズが選べるものがありますが、CanyonのグラベルバイクはXXSから全サイズで700Cを採用しています。以前は、より太いタイヤを履けるように、一部のバイクで27.5インチのホイールを装備していました。しかし今は700Cホイールでワイドタイヤを履ける設計となっています。Grailは快適性の高い42mm幅のタイヤに対応するクリアランスがあり、Grizlは最大で50mm幅のタイヤを履くことができるので、他のホイールサイズを追加する必要はなくなりました。
いちばん太いタイヤを履けるモデルを確認します。タイヤの太さはバイクの走破性に直結します。ベダンギ・クルカルニ

女性には女性専用のグラベルバイクが必要?
かつて、Canyonは女性専用モデルを展開していましたが、現在は性別でバイクモデルを区別していません。というのは、男性にとっても女性にとっても適切なバイクを選ぶにはフィッティングが最も重要であると考えるからです。当社のパーフェクトポジショニングシステムを使用すれば、わずか5分でサイズ診断ができます。日用品を使って自分ひとりで(お手伝いしてくれる方がいると楽ですが)簡単な身体測定をするだけ。その結果は98%のお客様から「体にぴったりのバイクを選べた」という評価を得ています。
「どのサイズのグラベルバイクが自分に合うかわからない」とお悩みの方のために Canyonではグラベルバイクサイズガイドの完全版をご用意しています。どんな地形の道でも安心して快適に走りパフォーマンスを発揮できるように、適切なサイズをお選びください。
グラベルライドを始めるために必要なギアは?
ビギナーは、適切なギアがすべてそろっているか不安になるかもしれません。ギア選びについてはいろいろとこだわりどころがありますが、まず、どのようなギアが必要なのでしょうか? グラベルライドを始めるのに必須となるギアは、それほど多くありません。
高品質のヘルメット
サイクリストであれば必ず高品質のヘルメットをかぶらなければいけません。これは絶対です。まったくの未経験から始めるのなら、ヘルメットは最初に購入しなければならない最重要アイテムです。そして、高品質ヘルメットはその価格に見合う価値があります。通気性がよく、予算が許すならMIPSのような回転方向の動きに対する保護システムを備えたものをおすすめします。
シャモアパッド
水と食料
長距離ライドに挑むなら、水と食料を携帯する必要があるでしょう。グラベルライドは文明社会から離れるということも魅力のひとつなので、道中にカフェやお店が都合よくあるとは限りません。しかし、あまり難しく考えることもありません。短めのライドなら水とバナナがあれば十分です。長い距離を走るなら、ハイカロリーでコンパクトなエネルギーバーなどが便利でしょう。Canyonのグラベルバイクはマウントポイントを多数備えていてストレージオプションが豊富なので、必要なものをすべて携帯できます(ライドに使うギアについてはバイクアクセサリーのカテゴリーをご覧ください)。
バイクツール
水や食料と同じように、遠くまで行くならメカトラブルにも備えなければいけません。時折パンクなどの問題が発生することは避けられません。インナーチューブ、携帯ポンプ、タイヤレバー、高品質なミニツールがあれば、トラブルが起こってもたいていは対処できるので、延々と歩いて帰る必要はありません(サイクリングギアとバイクメンテナンス用品もご覧ください)。
ストレージ
工具や食べ物、水を携帯するなら、それをどうやって持ち運ぶかという問題が当然発生します。フレームマウントやフレームバッグ、バックパックなど持ち運ぶ方法はいくつもあり、好みは人それぞれです。自分の好みと予算に応じていろいろ試してみるのもいいかもしれません。ベダンギは次のように語ります。「落車するとどうしても物が壊れてしまうことがあります。私は、グラベルバイクに乗るときにはお気に入りのトップチューブバッグをいつも装着してその中に物を入れ、荷物は何も身に着けないようにしています」

グラベルライドに挑む際の心構え
グラベルライドは、ごく気軽なものから過酷な道を遠くまで走り続けるライドまで多種多様です。文明社会から抜け出して冒険に出ようと思うなら、同じグラベルライドでも様相が変わってきます。ロングライド未経験の方には世界の見方が変わるような体験になるかもしれません。
長い時間をかけて遠くまで走っていると、天気が崩れることもあります。バイクが壊れたりライダーが怪我をするなど、問題が起こることもあります。思いつく限りの準備を整えていても、いつもの環境から遠く離れたら本当に大変なことが待ち構えています。尻込みさせてしまうかもしれませんが、しかしグラベルライドの大きな魅力のひとつでもあります。現代は生活がどんどん便利で楽になっていますが、グラベルライドとは過酷な環境に身を置くことであり、だからこそ好きだという人がいます。グラベルに挑む人は、心構えとしてこのようなことを語ります。
近くで乗る場所を探す方法
MTBライドとは違って、専用コース独自の複雑なルールを気にする必要がなく、現地までのアクセスが大変ということもないため、グラベルライドができる場所を探すのは難しいことではありません。一般的な地図にグラベルやダートの道が載っていることもありますが、私有地を表す標識などが掲載されていないことがあるため、そのあたりはしっかりチェックしましょう。
普通の地図では、これから挑戦するライドのプロフィールはわかりません。このため、StravaやKomootといったアプリをチェックするのもいいでしょう。近くに住むライダーがどこを走っているかも見ることができます。
一緒に走る仲間がほしいなら、グループライドを開催している地元クラブチームやショップを探すことをおすすめします。このようなライドに参加すると、他のライダーと友達になったり、付近のおすすめライドスポットについて情報交換したりできます。
ライドに向けたグラベルバイクの準備
Canyonのバイクは80%組み立て済みの状態でのお届けとなり、工具や説明書も付属しているので、すぐにセットアップして乗ることができます。しかし、初めてのライドに出る前に必要な基本チェックがいくつかあります。まずはサドルの高さを確認します。いざというときにサドルから降りやすいように余裕を持たせるため、ペダルの下死点で膝がわずかに曲がるくらいの高さが適正です。
ステムがまっすぐ前を向いていること、ハンドルバーの傾きがちょうどいい角度であること、変速がうまく決まることをライドの前に確認しましょう。時間を取ってチェックすることをおすすめします。出発前に駐車場で乗ってみて少しでも気になることがあると、グラベルを数時間走り続けるうちに大変なことになっていくかもしれません。また、ブレーキと変速機が正常に動作するかも出発前にしっかり確認しておきます。
タイヤの空気圧も、初めてのライドの前にある程度時間をかけてチェックしましょう。タイヤ空気圧は快適に乗れるかどうかを大きく左右するので、ライドを楽しむため適切な圧に設定しましょう。グラベルライドのタイヤ空気圧についてはこちらのガイドに簡潔にまとめていますので、参考にしてみてください。
よくわからない場合は、気軽にプロのメカニックに相談してサポートを受けることをおすすめします。
グラベルバイクで冒険に出発!
これで、お気に入りのビギナー向けグラベルバイクが決まり、必要なキットと走る場所についてもおわかりいただけたかと思います。あとはライドに出かけるだけ。いちばん楽しいところです!どのようなグラベルバイクが必要かまだお悩みでしたら、お気軽にオフィシャルパートナーにご相談ください。担当チームが、お客様にぴったりのバイク選びをお手伝いいたします。また、試乗のご予約や、お近くでライドを楽しめる場所についてのアドバイスといったサービスも提供しています。
すでにご紹介したように、Canyonのグラベルバイクのラインナップは非常に充実しているので、どれが自分に適しているか試乗してみるのは少し大変そうに感じるかもしれません。そのため、完璧な相棒となるバイクをお選びいただけるように、このCanyonグラベルバイク購入ガイドをご用意しました。複数のモデル間で比較したい場合は、バイク比較ツールを使用すると便利です。
それでは、グラベルバイクで新しい道やトレイルを探検し、充実した時間をお過ごしください。
グラベルバイク
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著者について
Matt Wragg
マット・ラグはフランスのニースを拠点とするフリーランスのフォトグラファー兼ライターで、バイククラッシャーでもあります。14歳のときに初めて本格的なマウンテンバイクを手にしてからこの世界にすっかり夢中です。XCレース、トライアル、4X、ダウンヒルと経験しましたが、良い成績を挙げることはできませんでした。2004年にバーミンガム大学で英文学の学士号を取得した後は、まずバーミンガム、続いてロンドンでコミュニケーションコンサルタントとして働きました。