2024/04/17 Robert Annis
2024/04/17 Robert Annis

絶対に見逃せないジロ・デ・イタリアの魅力をご紹介

ジロ・デ・イタリア2024がもうすぐ始まります!大会全体のルートや各ステージの詳細から優勝候補チームまで、あらゆる情報を詳しくお伝えします。

絶対に見逃せないジロ・デ・イタリアの魅力をご紹介 ジロ・デ・イタリアは名物の「終わりのないトロフィー」を目指して争われます。歴代総合優勝者の名が刻まれるこのトロフィーに、今年は誰が加わるでしょうか?

昨年マリア・ローザを獲得したプリモシュ・ログリッチ(ボーラ・ハンスグローエ)は、ツール・ド・フランスに集中するためジロ・デ・イタリアには出場しないと見られています。総合優勝候補として次に挙がるのがタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)です。ポガチャルは、マルコ・パンターニが1998年に達成して以来だれも成し遂げていないジロとツールのダブル優勝を狙っています。

これは価値のあるチャレンジです。この20年間、ファンやチーム、スポンサーの間ではツール・ド・フランスの人気が圧倒的に高く、ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャの影が薄くなっていることは(少なくともイタリア以外では)否めません。このため、パリでマイヨ・ジョーヌを着るために、前年の総合優勝者でさえジロに出場しないことがあります。

しかし、ジロは無視してよい存在ではありません。5月に3週間にわたって息を呑むような美しい風景の中で選手たちがロードレースを走り、各ステージのコース脇にはファンが集まって、すごい速さで走り坂を登るライダーたちに声援を送ります。選手たちは、その情熱と自転車界の歴史を感じながら、超人的な領域にまで自らを追い込みます。その注目度や権威にふさわしい、見応えのあるレースです。

Contents

ジロ・デ・イタリア2024の特徴を表すデータ

  • 総走行距離:3,321.2km
  • 総獲得標高:42,900m
  • 山岳地域:3(アルプス、アペニン、ドロミテ)
  • 山頂フィニッシュ:6
  • スプリントステージ:8
  • タイムトライアル:2

ジロ・デ・イタリアの歴史

1909年の初開催以来、ジロはイタリア各地を巡り、印象的な瞬間を人々に刻み込んでいます。絶対王者として君臨したファウスト・コッピは、1949年のジロで5つの峠を脅威的な速さで越えて総合優勝をつかみ取りました。エディ・メルクスは1968年にトレ・チーメ・ディ・ラヴァレードで単独逃げを決めて優勝しました。(これは彼の初めてのグランツール優勝であったと同時に、圧倒的な強さで総合優勝、山岳賞、ポイント賞のジャージを独占しました) アンディ・ハンプステンは吹雪のガヴィア峠を制して1988年にマリア・ローザを手にしました。

2024年のジロでは何十年も語り継がれるような伝説の瞬間が生まれるでしょうか? 開幕日が迫っています。ぜひご注目ください。

ジロ・デ・イタリア2024の開催期間は?

2024年のジロ・デ・イタリアは、5月4日にトリノからスタートします。第107回となる今年のレースは5月26日にローマでフィニッシュを迎えます。最終日はコロッセオ周辺を巡る周回コースとなっています。

2024年ジロ・デ・イタリアの展開予想

5月4日の開幕日にスタートラインに並ぶ総合優勝候補者は? トリノで開幕する今年のジロでは、ポガチャル以外に、2014年に総合優勝し2017年には2位に入ったナイロ・キンタナ(モビスター)が有力候補として挙げられます。2022年優勝者のジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ)と2020年優勝者のテイオ・ゲイガンハート(リドル・トレック)も2度目の勝利を目指して走ります。昨年、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)は最終ステージ前日にマリア・ローザを手放しており、ジロで総合表彰台の頂上に立ったことがまだありません。昨年9月ブエルタを制したばかりの若手アメリカ人選手セップ・クス(ヴィスマ・リースアバイク)は、グランツール2連勝を目指して争う可能性があります。しかし、ツールのディフェンディングチャンピオンであるヨナス・ヴィンゲゴーのアシストとして、ヴィスマ・リースアバイクは彼を温存したいかも知れません。

地元イタリア出身のジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)も、2024年は総合優勝を狙うと思われます。2016年に優勝したヴィンチェンツォ・ニバリ以来のイタリア人チャンピオンとなるでしょうか?

今年のジロにもスプリンターのために設定されたステージがいくつかあります。昨年のジロではカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)が5回のステージ優勝を挙げました。グローブスのチームメイトであるヤスペル・フィリプセンもスプリント賞のマリア・チクラミーノ候補ですが、7月の早い時期に開催されるツールに向けて脚を温存するのではないかと見られています。

ジロ・デ・イタリア2024:チーム・モビスター ジロ・デ・イタリア2024:チーム・モビスター

ジロ・デ・イタリアのルートと注目のステージ5選

2024年のジロ・デ・イタリアのルートは例年どおり丘陵ステージ、平坦ステージ、山岳ステージ合わせて全21ステージで、間に2回の休息日をはさみ、3週間かけてイタリア全土を巡ります。序盤からエキサイティングなレースが予想されますが、総合優勝争いが本格化するのは第15ステージからになるでしょう。ここからは険しい山岳地帯に入り、今年のグランツールの中でも屈指の過酷なステージが3つ続きます。こちらでジロ・デ・イタリアを代表する峠を詳しくご紹介しています。

3週間のジロ・デ・イタリアが終わると、総合リーダーを表すピンク色のジャージ、山岳賞リーダーを表す青色のジャージ、ポイント賞リーダーを表す紫色のジャージ、25歳以下で総合順位最上位の選手を表す白色のジャージの獲得者が最終的に確定します。

ジロ・デ・イタリア2024:第2ステージ

サン・フランチェスコ・アル・カンポ~オロパ、150km、山岳ステージ(山頂フィニッシュ)

第2ステージは早くも山頂フィニッシュとなっているため、レースが始まってすぐにトップコンディションであることが求められます。ステージ序盤の80kmはほぼ平坦ですが、徐々にサンチュリアリオ・ディ・オロパのフィニッシュに向けて上り始めます。約12kmの上りは平均斜度6%強とそれほど厳しいものではありませんが、13%を超える急斜度の区間もあり、アタックポイントとして理想的です。

  • オアジ・ゼーニャ、カテゴリー3
  • ネルバ、カテゴリー3
  • サンチュリアリオ・ディ・オロパ、カテゴリー1、登坂距離11.8km、平均斜度6.2%

ジロ・デ・イタリア2024:第6ステージ

ヴィアレッジョ〜ラポラーノ・テルメ、177km

このステージには登坂距離約5km、カテゴリー4級のグロッティへの上りを含む約12kmのグラベル区間があります。有名なレースであるストラーデ・ビアンケの出場経験が豊富な選手は、この道についてよく知っています。このため、かつてこのレースを制したマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)やワウト・ファン・アールト(ヴィスマ・リースアバイク)が優勝候補に挙がります。ポガチャルもこのレースで勝ったことがありますが、彼が所属するUAEチーム・エミレーツがジロ序盤のこのステージを積極的に狙ってくるかどうかは疑問です。

  • ラ・ベルテスカ、カテゴリー4
  • グロッティ、カテゴリー4

ジロ・デ・イタリア2024:第15ステージ

マネルバ・デル・ガルダ〜リヴィーニョ、220km

今年のジロ最長のステージで、選手にとっては最も過酷、観客にとっては最も楽しみなステージのひとつとなります。カテゴリー2級のサン・ゼーノ峠での走りは、このステージ終盤の行方を占う材料になるでしょう。カテゴリー3級のアプリーカを下り終えると、15kmの厳しい上りを登ってから5kmほどの平坦路で一息つきます。そこからきわめて過酷なフォルコラ・ディ・リヴィーニョへの18kmの上りが始まります。峠を越えたら12kmほど下り、フィニッシュのモットリーノへと続く最大斜度18%、登坂距離8kmの上りに挑みます。ここが決戦の場となるでしょう。総合優勝を狙う選手たちはだれもがライバルをふるい落とすアタックを狙っているはずです。

  • ロドリーノ、カテゴリー3
  • サン・ゼーノ峠、カテゴリー2、登坂距離13.9km、平均斜度6.6%
  • アプリーカ、カテゴリー3
  • フォルコラ・ディ・リヴィーニョ、カテゴリー1、登坂距離18km、平均斜度7.1%
  • リヴィーニョ(モットリーノ)、カテゴリー1、登坂距離8.1km、平均斜度6.6%
アルペシン・ドゥクーニンクとモビスターの両チームは、5月にイタリアで開催されるこのグランツールに強力なチーム構成で挑みます。 アルペシン・ドゥクーニンクとモビスターの両チームは、5月にイタリアで開催されるこのグランツールに強力なチーム構成で挑みます。

ジロ・デ・イタリア2024:第17ステージ

セルヴァ・ディ・ガルデーナ・イン・グローデン〜ブロコン峠、154km

このステージはスタート直後からセッラ峠まで激しい上りが9kmほど続き、早速勝負が始まります。そこから159km先のブロコン峠までレースは動き続けるでしょう。このブロコン峠を2回も登る、非常に過酷なステージとなっています。

  • セッラ峠、カテゴリー2、登坂距離8.9km、平均斜度7.4%
  • ロッレ峠、カテゴリー1、登坂距離19.8km、平均斜度4.8%
  • ゴッベーラ峠、カテゴリー3
  • ブロコン峠、カテゴリー2、登坂距離13.3km、平均斜度6.5%
  • ブロコン峠、カテゴリー1、登坂距離12.2km、平均斜度6.4%

レースをリードすると予想される選手は?

2024年のジロ・デ・イタリアは高速で激しい戦いが予想されます。近年のジロと比較すると上りは控えめで、今年のツール・ド・フランスやブエルタ・ア・エスパーニャと比べるとタイムトライアルが長いのが特徴です。このため拮抗したレース展開が予想され、思いがけない選手が優勝する可能性が大きくなっています。ジロとツールのダブル優勝という栄誉を狙っているポガチャル以外にも、ツールを狙う主要選手たちが出走するかどうか注目が集まっています。

注目のCanyonライダー

モビスター・チームに戻ってきたキンタナが、再びエースとしてジロを走ります。彼は一度ジロで総合優勝を挙げていますが、それから10年が経ちました。あのときのようにマリア・ローザをつかむことができるでしょうか? 総合優勝は難しくとも、得意の山岳ステージでは間違いなく勝利を狙った走りを見せてくれるでしょう。

アルペシン・ドゥクーニンク・チームはまだジロのチームメンバーを一部発表していません。スプリンターのカーデン・グローブスはジロでステージ1勝を挙げています(さらにブエルタ・ア・エスパーニャ2023ではステージ3勝とポイント賞ジャージ獲得)。現在好調なので、今年も期待できそうです。現世界チャンピオンのマチュー・ファンデルプールは春のクラシックで今年も大活躍しました。ツールとパリ・オリンピックに備えるため、彼が今年のジロを走るかどうかはまだわかりません。開催が迫っているジロ・デ・イタリア2024では、アルペシン・ドゥクーニンク・チームとモビスター・チームのどちらも主にCanyonのハイエンドロードバイクのCanyon AeroadSpeedmaxを使用して勝利を目指します。

ジロ・デ・イタリア2024の視聴方法

ジロを心ゆくまで楽しむなら、現地でレースに帯同しながら生で観戦するのがいちばんです。しかし、3週間パスタを楽しみながらレースについていくのは、仕事の休暇を取るだけでも大変です。ありがたいことに、ジロ・デ・イタリアは以下のネットワークで放送されます(ステージハイライト、またはスタートからフィニッシュまで放送)。

  • Eurosport(ヨーロッパ)
  • beIN Sport(アメリカ)
  • SBS(オーストラリア)

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